【スポーツ外傷】肩を脱臼したサッカー日本代表久保建英選手のコメントがスゴイ

サッカー日本代表のMF久保建英選手が10月末の試合中に左肩を脱臼。ひょっとして代表落ちかと思いましたがその後順調に回復をみせているようです。その久保選手が先日インタビューで肩の状態を聞かれたときに、

「外れただけなので大丈夫、サッカーは基本的には足を使うスポーツなので問題ないと思います」

とコメントしました。

もちろんこれはリップサービスやジョークの類で、本気で言ってるわけではないと思います!(多分)

これを真に受けて「へぇー肩って脱臼しても大丈夫なんだー」と誤解してほしくないので超簡単に脱臼の解説をしますね!

肩の脱臼をサクッと簡単解説

まず最初に・・・。久保選手のケガの状態が詳しく記載されている記事を見つける事ができなかったので、久保選手の状態は間違いなくこれだ!とは言えません。私の想像と経験上のお話を交えて解説します。

肩関節の脱臼は転んだ際に手をついたり、転倒して肩を打ったりした際に起こります。

分類をいくつか挙げますね(簡単に)

①どこに外れたか(肩の前?後ろ?上か?下か?)

②ボコッと完全に外れた完全脱臼か、完全に外れてはいないけど正しい位置からはズレている不全脱臼(亜脱臼)か

③脱臼してからどれくらい経過しているのか(時間が経過するほど入れるのは難しくなる)

④脱臼したときに合併症があるか(例:ケガの衝撃で骨が折れながら脱臼もする脱臼骨折など)

⑤脱臼は初めてか、前にもあったのか(2度目以降は外れやすいが入れるのも簡単なことが多い。悪い意味で本人も軽視しがち)

図を使って解説します。脱臼と聞くとこんなイメージではないですか?

あー、外れちゃったー!

実際こんな外れ方はほぼなく、ほとんどは肩の前方に外れる事が多いです。下の絵は右肩を前から見たもので、黒が普段の位置、赤がずれた位置になります。

通常状態
前方脱臼時

どうでしょう、皆さんの想像よりズレてなかったのではないですか?しかしこれだけでも関節や軟部組織には大きなダメージを負ってしまうのです。

これらを踏まえてわずか2週間で練習復帰できたことを考えるとおそらく久保選手は

・肩関節前方脱臼を起こし

・時間をかけずにトレーナーやドクターの判断で整復(入れること)ができ

・大きな合併症もなく、以前にも脱臼経験があり「これなら前ほど酷くないし大丈夫だ」と本人のメンタルも落ち着いていた

のではないかと推測します。あくまで推測です!

脱臼は外れてる間はメチャクチャ痛いですが、元の位置に入るとスッと痛みが和らぐことが多いです。あとはしっかり固定をして脱臼の際に傷ついた軟部組織(筋肉や関節を覆う袋)の処置を行えば予後は良いです。

しかし固定が短かったり、リハビリをしっかり行わなかったりすると反復性脱臼をしやすくなってしまうので注意が必要です。反復性になってしまうとちょっとした力で外れやすくなりますし、バンザイをした時や肩のストレッチをやろうとしただけでボコッと外れる!なんてこともあります。

結論:久保選手は大丈夫なのか?

「サッカーは足を使うスポーツだから問題ない」というコメントはリップサービスですよ!きっと!真に受けないでくださいね!

「心配しないでください、順調に治ってますよ」というのをユーモアを交えてコメントした久保選手の人間性が素晴らしいと思います。

本番の試合までに完全完治してプレーに全く支障のないレベルまで到達できるかは微妙な所ですが、そこはトレーナーさんの腕の見せ所だと思います。ぜひ頑張っていただきたいです!

W杯開幕まであと1週間を切りました。厳しい戦いが続くグループEですが応援しています!

頑張れ久保選手!頑張れ日本代表!

ただのサポート接骨院